
自分の体が「なんだかいつもと違う・・・」と感じたら、それは妊娠の兆候かもしれません。
種類や重さ・軽さは個人差がありますが、妊娠初期の段階でさまざまな症状が見られることがあります。
いつ頃、どんな症状がでるのでしょうか。もしかして?と思う方はぜひチェックしてみましょう。
妊娠初期とはいつからいつまで?

「妊娠初期」とは、一般的に妊娠がわかる時期である妊娠5週(5w0d)から妊娠15週(15w6d)までを指します。月でいえば妊娠2カ月~4カ月にあたります。
妊娠4週までは妊娠の兆候があまり出ない時期で、「妊娠超初期」と呼ばれます。早い方ではこの段階から症状が見られる場合もありますが、基本的には妊娠5週以降に見られることがほとんどです。
ちなみに妊娠日数は最終月経初日を妊娠0週0日として数えます。独特で間違えやすいので、注意しましょう。
例:
1月1日(最終月経開始日)=妊娠0週0日(0w0d)
1月7日=妊娠0週6日(0w6d)
1月8日=妊娠1週0日(1w0d)
妊娠初期の赤ちゃんの状態は?

妊娠5~6週ごろは子宮内に「胎のう」という袋が見られます。赤ちゃんの原型である「胚」が包まれていて、この胎のうが確認できると妊娠と判断されます。この頃赤ちゃんの大きさは1㎜ほど。まだ人の形はしておらず、オタマジャクシのような形です。
その後だいたい6~7週に赤ちゃんの心臓の動きが確認できるようになり、この時初めて「正常に妊娠した」ということになります。
以降9週までの赤ちゃんは「胎芽」と呼ばれ、中枢神経や心臓、手足などの器官が急速に作られていく器官形成期にあたります。翌妊娠10週には頭や手足が発達し、ようやく「胎児」と呼ばれるように。4Dエコーであればはっきり人の形が確認できます。
そして妊娠11週になると臓器はすべて完成し、器官形成がほぼ完了します。
最もわかりやすい兆候は月経の遅れ

妊娠に気づく最もわかりやすい症状が月経の遅れ。「なかなか来ないな」と思い、妊娠検査薬でチェックするというケースが一般的ですね。
月経周期が安定しているのに予定日よりも一週間以上遅れるようであれば、妊娠の可能性があります。妊娠検査薬は月経予定日一週間後くらいから反応が出るようになりますので、このタイミングで使ってみるといいですね。
高温期が続くのも特徴

月経の遅れと同様、こちらもはっきりとわかる症状のひとつ。基礎体温は通常排卵後に高温期が2週間ほど続き、月経がはじまるころに低くなり低温期に入ります。
しかし妊娠した場合は体温が下がらず、高温期の状態が続きます。 この周期が毎月きちんときている方であれば、体温の変化で妊娠に気づくこともあるようです。
つわりには個人差がある

妊娠初期の症状としてよく知られているつわり。ドラマなどでよく見るように、急に吐き気を感じて妊娠に気づく、というケースもあります。
月経予定日をすぎて1~2週間後くらいから吐き気や食欲低下、胸やけなどを感じるようになります。これはhCG(ヒト絨毛(じゅうもう)性ゴナドトロピン)というホルモンが急激に増えるためとも言われていますが、はっきりとした原因はわかっていません。妊娠12~16週くらいまで続きます。
つわりに関しては個人差があるので、重さや期間もさまざま。またその症状もひとつではないんです。主なものとして以下の5つが挙げられます。
1.吐きつわり
食事をしているかどうかにかかわらず吐き気を感じる症状。いわゆる一般的な「つわり」にあたるのがこの吐きつわりです。
吐き気の強さは個人差があり、もよおすだけの方もいれば実際に吐いてしまう方もいます。また時間や頻度も人によって違っています。
吐きつわりの場合は食べられるものが限られてしまいますが、いろいろ試してみて自分にあったものを見つけるといいでしょう。
2.食べつわり
空腹になると胸やけがして吐き気を感じるのが食べつわりです。ずっと何かを食べていなければ収まらないので、気が付いたら体重が増加していることも。また食べ続けておなかがいっぱいになっても逆に気持ち悪く感じるので食べる量には注意しましょう。 一度の食事の量を減らして回数を増やすといいですね。
3.匂いつわり
妊娠初期は匂いに敏感になる時期。いままで大丈夫だったにおいが急に苦手になり、吐き気をもよおすことがあります。お米の炊ける匂いや香水のにおいなど、苦手になる匂いは個人差があります。
4.眠りつわり
妊娠初期の眠気はよくある症状ですが、実はこれもつわりの一種なんです。しっかり寝ているのに眠気が取れない、あるいは体がだるいなどの症状も見られます。中には仕事や日常生活に支障をきたすほどの眠気を感じる方も。
5.よだれつわり
あまり一般的ではありませんが、唾液の分泌が過剰になるという症状もあります。これをよだれつわりと呼びます。
唾液の量は個人差があり、食事のときに以前に比べ多く出る程度の場合もあれば、常に唾液が出続けて定期的に吐き出さないといけないという場合もあります。
妊娠超初期症状との違いは?

このほか頭痛・腰痛、風邪のような症状、胸の張り、頻尿、食べ物の好みの変化などさまざまありますが、いずれも妊娠超初期にみられる症状ととても似ています。その大きな違いは「着床出血」の有無です。これはその名の通り受精卵が着床したときにおこる出血。そのため、妊娠3週ごろにおこる「妊娠超初期」の症状になります。ただし着床出血は個人差があり、そもそも出血が見られないケースがほとんど。出血したとしてもごく微量の人もいれば月経時と同じくらいの人もいます。
妊娠初期に気を付けたいこと

これらの症状にあてはまり、妊娠の可能性がある場合は以下のことに気をつけましょう。
食生活
バランスの取れた食事が基本ですが、特にたんぱく質やビタミン、ミネラルなどを積極的にとりましょう。特にこの時期に多く必要とされる「葉酸」は赤ちゃんの発育に大きな役割を果たしますので、しっかりとるといいですね。食事に加えサプリを併用すれば手軽に摂取できます。
お酒・たばこ
お酒やたばこはすぐにやめましょう。たばこの煙は血管を収縮させてしまい、赤ちゃんに酸素や栄養が届きにくくなってしまいます。その結果、先天性異常のリスクが高まるだけでなく、流産や早産を引き起こす可能性もあるのです。
アルコールは胎盤を通して赤ちゃんにそのまま届いてしまい、奇形や低体重になる胎児性アルコール症候群になる危険性があります。
カフェイン
カフェインの大量摂取は赤ちゃんの早産や発育の遅れにつながるケースがあります。加えてカルシウムの吸収を阻害する作用があるので、妊娠時には摂取量に注意しましょう。
WHOでは一日300mgまで、英国では200mgは摂取しても問題ないとされていますが、日本には明確な上限はありません。コーヒーであれば1~2杯、緑茶なら5~6杯程度にしておきましょう。
カフェインの含有量一覧(100ml中)
- エスプレッソコーヒー…300mg
- 玉露…120mg
- ドリップコーヒー…60mg
- 栄養ドリンク…50mg
- インスタントコーヒー…40mg
- ココア…30mg
- 抹茶…30mg
- 紅茶…20mg
- 緑茶…20mg
- ほうじ茶…20mg
- ウーロン茶…20mg
- 番茶…20mg
- 玄米茶…15mg
- ダイエットコーラ…15mg
- コーラ…12mg
- 板チョコ(50g)…20mg
またコーヒーや緑茶にはタンニンも含まれていますが、タンニンは鉄の吸収を阻害します。妊娠中期~後期は貧血になりやすい時期なので、こちらも摂取量には注意しましょう。
薬の服用
妊娠超初期の薬の服用は赤ちゃんへの影響はないとされていますが、妊娠2カ月をすぎると心臓や中枢神経など重要な器官が作られます。そんなときは自己判断で薬を飲むのは禁物。必ず医師や薬剤師に相談して安全な薬を選ぶようにしましょう。
まとめ
以上、妊娠初期の症状と気を付けるべきことをご紹介しました。 これらの症状は種類や重さ・軽さは大きく個人差があり人それぞれです。月経が遅れているなど思い当たる症状がある方は妊娠検査薬でチェックしてみてください。そして陽性反応が出たらなるべく早めに産婦人科を受診しましょう。