葉酸不足による赤ちゃんへの影響

妊娠初期には赤ちゃんの細胞をつくるために葉酸がたくさん必要になります。
普段の食事に加えて葉酸サプリなどで補うことが厚生労働省からも推奨されていますが、実際に葉酸が不足するとどうなってしまうのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

葉酸が不足すると赤ちゃんはどうなる?

妊娠中はおなかの赤ちゃんが成長するために、ママの体内の葉酸がたくさん消費されます。そのため葉酸不足に陥りやすくなり、ママには貧血や不眠、うつなどの症状が出てしまうケースもあります。
では、赤ちゃんには具体的にどんな影響がでるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

神経管閉鎖障害の危険性

妊娠初期に葉酸不足になると、おなかの赤ちゃんの先天性疾患をまねくリスクが高くなると言われています。
妊娠初期は特に脳や脊髄など、中枢神経系の土台が作られる時期です。この時期に葉酸が不足してしまうと、「神経管閉鎖障害」を患う危険性があります。

ちょっと聞きなれない言葉ですが、簡単に説明すると脳や脊髄など中枢神経系のもとになる「神経管」の一部がふさがってしまい、脊髄が正常に機能しなくなる病気のことを言います。
「神経管」のどの部分がふさがってしまうかで障害の出方は異なり、下部がふさがってしまった場合は「二分脊椎症」、上部がふさがってしまった場合は「無脳症」という病気になります。
日本では、出生した赤ちゃん10000人に対して約5~6人に「神経管閉鎖障害」がみられます。

では次に「二分脊椎症」と「無脳症」について見ていきましょう。

二分脊椎症とは

脊髄は、本来脊椎の中におさまっているはずのものです。これが何らかの原因で脊椎の外に飛び出してしまい、背中に露出した状態になってしまうのが二分脊椎症です。
二分脊椎症であった場合、生後2、3日以内に背中の修復手術が必要になります。排せつや歩行に障害が起こる可能性が高く、80%という高い割合で「水頭症」という合併症を発症するので、脳機能に障害が起こるケースもあります。
現れる障害によって脳神経外科医、泌尿器科医、整形外科医などでの生涯にわたる治療が必要になってしまいます。

水頭症

単独で病気として成立する場合や、他の病気との合併症として発症する場合があります。
多くの場合は脳内の「脳室」と呼ばれる脳脊髄液がたまっている場所が大きくなってしまう状態をいいますが、それだけで判断できない場合は全身の症状と合わせて診断されます。外見の症状としては頭が大きくなってしまうことが挙げられます。

脳と脊髄には、髄液と呼ばれる塩分を含んだ体液が循環しています。脳脊髄液は脳の保護液として働いていると言われ、脳全体を覆うようにあります。無色透明で、脳を浮かせることによって急激な頭部の動きでも脳への衝撃を和らげるクッションになったり、脳の活動によって生産される物質を取り除くなどのはたらきも併せ持ちます。
この脳脊髄液が余分にたまってしまい、大きくなった脳室の圧力によって頭蓋骨が押し広げられ、頭が大きくなるという症状がでます。

二分脊椎症が確認できるのは妊娠16~20週頃です。ママの羊水と血液検査、エコーなどによってわかることが多いです。外見に異常が現れるため、遅くても出生後には必ずわかります。

また二分脊椎症は「顕在性二分脊椎」と「潜在性二分脊椎」の二つに分けられます。
顕在性二分脊椎は開放性二分脊椎ともよばれ、外見から異常が見えるタイプ。脊髄が皮膚に覆われずに直接外にとびだしている「脊髄髄膜瘤(りゅう)」や「脊髄披裂」が特徴にあげられます。これらは背中に大きなこぶのようなものが出ていたり、背中に亀裂のような穴があいているように見えるものです。

一方、潜在性二分脊椎は顕在性二分脊椎のような外見の大きな特徴はみられません。
多毛、血管腫、母斑、皮膚表面の小さな穴、やけどのような瘢痕(はんこん)、おしりの左右差や割れ目のゆがみなどを生じることがあります。

幼児期には症状はほとんど見られませんが、成長期になると排便障害や下半身の運動、神経障害などが出てくるケースもあります。
これは正常な神経ができていないことや、周囲の骨や筋肉と癒着した脊髄神経が成長によってひっぱられることが原因です。

無脳症とは

無脳症は、その名のとおり脳が正常に形成されず、欠損した状態になる病気です。
体には異常がないので通常通り育つのですが、脳が育たないために流産や死産になる割合が高くなります。
また、運よく産まれた場合でもすぐになくなってしまうため、人工死産を選択するというケースも少なくありません。

無脳症を引き起こす異常は中枢神経の作られる妊娠7週前後に起こりますが、エコーでそれを確認できるのは妊娠10~16週頃になってしまいます。
無脳症であった場合、赤ちゃんの頭部がはっきり映らず、影のよう見えたり変形したりして見えます。エコーの確認で無脳症が疑われた場合は、ママの羊水と血液検査によって判断します。

葉酸でリスクを軽減

赤ちゃんがこんな病気になるかもしれない…と思うととても怖いですよね。
ですが、これらの障害については妊娠初期に葉酸をとることで70%軽減するという欧米諸国の研究結果が出ています。
これをうけて、日本でも神経管閉鎖障害が増えつつあることから、2000年に厚生労働省の葉酸摂取推奨の呼びかけが始まりました。
今では母子手帳にも記載されていますが、その出生率は残念ながら大幅な改善には至っていません。まだまだ葉酸の重要性が広く知られていないのかもしれませんね。

発達の遅れ

葉酸やビタミンなどが不足すると、ママの血行が悪い状態になります。そうするとしっかりした胎盤や健康な血液が作られなくなり、赤ちゃんへの栄養が十分に行き渡らなくなってしまうのです。
このため、赤ちゃんの発育に遅れが出たり、ストップしてしまうケースさえあります。
また、十分な発育ができないことが原因で「稽留流産」になる危険性もあると言われています。

稽留流産とは

自然流産の一つで、赤ちゃんが死亡してしまい妊娠が継続できない状態であっても、子宮内にまだとどまっている状態のことを言います。出血や腹痛などの自覚症状がないため、気づきにくいのが特徴です。
流産は染色体の異常により起こることがほとんどですが、こうした発達不足が原因になるケースもあるのです。

おわりに

以上のように葉酸が不足すると、ママや赤ちゃんに悪影響が出てしまうのは明らかです。母子共に健康であるために、しっかり葉酸をとりたいですね。

葉酸サプリ比較編集部
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